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2014-11-29 (Sat)
昨日(11月28日)、ネットでニュースを閲覧していたところ、
ジャポニカ学習帳から昆虫が消えた 教師ら「不快」→苦渋の決断
 (↑外部リンク:クリックで写真付き記事)
という記事が目につきました。

私の子供が小学生だった頃(1980年代後半から90年代前半)トリバネアゲハやモルフォ蝶、それにラフレシアなどが表紙一杯にカラー印刷された、このブランド(ジャポニカ学習帳)のノートを使っていました。
昨年の自宅の引っ越しの際に押入れの奥から教科書やワークブックと一緒に沢山「出土」したので、昆虫の表紙写真の脳裏への焼き付けも復元されています。

学校教育の昆虫離れがここまで来たか、というのが私の率直な感想です。

どのノートを買うかには親(とりわけ母親)の判断が入りがちです。学用品店にずらりと並ぶ学習ノートの中で、上記学習帳は強烈に視覚に訴え、私が小学生だったころのような文字と罫線だけの無機的な表紙を背景にまで押しやることでしょう。
虫嫌いの母親であれば、虫の写真のない別の(たとえば、草花の写真の)ノートを選ぶことができるはずです。

それに対して、児童から授業後ノートを集め、添削する教師にとってはノートを選ぶことはできず、否応なしに各ノートの表紙とにらめっこさせられることになります。
昆虫が超苦手な何人かの若手教師(おそらく女性の比率が高いでしょう)には、この有象無象の昆虫との出会いがとても耐えられないという事態が生じたのでしょう。そして、中には、この学習帳の出版社に改善を求めるメールか手紙を出す教師も現れるに至ったものと思われます。

そういうクレームを寄せた若い教師も小学生の頃、友人たちが使用していた昆虫の学習帳を目にすることがあったと思われます。しかし、結果から考えて、昆虫の学習帳の流行は虫好きを増やす効果があった反面、虫嫌いをなくす効果は薄かったといえるかもしれません。

私は昨春まで教員養成系の学部の教員をし、主として小学校教員の養成にタッチしていました。そのうちの1つの専攻の入学者にはほぼ必修のかたちで、昆虫の観察・採集・図鑑による同定・レポートの作成を組み込んだ実習を履修してもらっていました。

自然好きという動機を持って入学した学生たちでしたが、子供のころ昆虫採集体験をほとんどしていない、あるいは昆虫に触ったことがない、気持ち悪くて触れない、という学生の割合は少なくありませんでした。

幸い、釧路湿原の周辺部で実施した上記実習(←外部リンク:筆者作成記事、写真つきpdfを終えた学生の感想には、昆虫に触れるようになった、昆虫の命に触れて感じることが多かった、教師になったら子供たちと昆虫の授業をしてみたいなどの記述がみられ、このささやかな実践が「教師の卵」の昆虫に対する好感度をアップさせる上で多少なりとも効果があったのではと思っています。

全国の大学の教員養成課程の授業でこのような昆虫体験を授業に組み入れることにより、虫好き(=自然好き)な子供(ひいては、大人)を増やすことができるのではないでしょうか。

さらには、PTAの会合に虫好きの父親が参加して、子供たちにもっと(昆虫を含めた)自然体験をさせてほしい、と要望を出すなどすることも、同様の効果を持つかもしれません。


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