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2017-08-24 (Thu)
今春、釧路市立博物館から、釧路市立博物館解説シリーズ『釧路の昆虫』(土屋慶丞 著)が発行されました(写真1)。

著者の土屋さんから依頼され、私が監修を引き受けたものですが、内容・構成は著者の提案を最大限尊重し、私は出来上がった原稿に目を通し、コメントする役割に徹しました。

釧路市立博物館解説シリーズ『釧路の昆虫』
  土屋慶丞 著
  釧路市立博物館発行
  A5版、29頁、フルカラー
  2017年3月
  釧路市立博物館等で販売

「釧路の昆虫」 
写真1 博物館解説シリーズ『釧路の昆虫』(写真はクリックで拡大)

長年、釧路・根室地域の昆虫相の解明に半生を捧げられた飯島一雄さん(過去記事:「トンボ研究者としての飯島一雄氏」参照)の業績、飯島さんに育てられた釧路昆虫同好会の面々がチームワークを駆使して蓄積した道東の昆虫についての知見をベースに、土屋さんが、博物館学芸員としての見識を縦横に駆使して、トンボ類、蝶・蛾類、甲虫類を中心に、釧路地域の昆虫の特徴を端的にまとめています(写真2)。

「釧路の昆虫」、本文(トンボ類)のレイアウト
写真2 博物館解説シリーズ『釧路の昆虫』の本文レイアウト

そのほか、鳴く虫やミズグモ、土壌動物といった、ちょっと目立たない虫たちについても紹介されているのも、特色といえるでしょう。

標本写真は同博物館の加藤春雄さん、生態写真は標茶町在住の飯島猛美さんが、それぞれ全面的に担当されたことで、ビジュアル面でも楽しめるものとなっています。



同博物館では、現在、下記の企画展を開催中で、この小冊子と企画展の両方に接することで、釧路地域の昆虫をより深い奥行きで知ることができるでしょう。

「釧路湿原国立公園指定30周年記念企画展『釧路の昆虫大集合!~飯島一雄コレクション展2017~』(7/1-8/27)」

※企画展の説明(釧路市立博物館による):
標茶町の昆虫研究家、飯島一雄氏(1928~2016)が釧路市立博物館と標茶町郷土館に寄贈された、昆虫標本コレクションをはじめとする研究資料を一堂に集めて展示します。

※企画展ウェブサイトはこちら(外部リンク)


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2017-08-23 (Wed)
この夏、朝倉書店より、『図説日本の湿地 ―人と自然と多様な水辺―』(日本湿地学会監修)が刊行されましたので、分担執筆者の一人として、その概要をご紹介します(写真1)。

 『図説日本の湿地 ―人と自然と多様な水辺―
  朝倉書店 刊
  B5/228ページ/2017年06月25日
  ISBN978-4-254-18052-7 C3040
  定価5,400円(本体5,000円+税)
  日本湿地学会 監修

「日本の湿地」 
写真1 『図説日本の湿地 ―人と自然と多様な水辺―』(写真はクリックで拡大)

各分野57名の専門家が分担執筆し、湿地に関わる自然・生活・文化・歴史・法制度・NPO・社会教育などあらゆる領域について要領よく解説されています(表1)。
 <編集委員・執筆者一覧はこちら(外部リンク)>

私も編集委員会から執筆を依頼され、第2章「湿地を彩る個性派たち」―第1節「 動物たち―第9項「トンボ類 」を担当しました。

見開き2頁の分量ですが、日本のトンボが生息するほとんどすべての湿地のタイプとそこに生息する代表的な種を紹介し、最後のところでトンボ生息地の現状について警鐘を鳴らしています(写真2)。

「日本の湿地」、本文(トンボ類)のレイアウト
写真2 『図説日本の湿地 ―人と自然と多様な水辺―』所収の「日本のトンボ」のレイアウト

「トンボ類」の項に掲載したトンボの写真の一部は、トンボ関連の人気ブログである、「神戸のトンボ」、「北海道ハイテクトンボブログ」、「旭川トンボ紀行」の著作者の方々に、ご協力いただいたことで、日本のトンボの多様性の一端が伺えるものとなりました。



表1 『図説日本の湿地 ―人と自然と多様な水辺―』 目 次 (抜粋)
    <詳細目次はこちら(外部リンク)>
 本書で掲載している湿地位置図 
 序 論  
Ⅰ.湿地の恵みを受ける
 1. 暮らしの必需品などを確保する 
 2. 暮らしを豊かにする 
 3. 暮らしを意味づける
Ⅱ.湿地を彩る個性派たち
 1. 動物たち
  (9) トンボ類 (生方秀紀) 
 2. 植物たち
Ⅲ.湿地の姿と仕組み
 1. 様々な姿を見せる湿地
 2. 湿地の仕組みと機能 
Ⅳ.湿地を活かす仕組みと人々
 1. 変わりゆく湿地
 2.湿地を守る仕組み・制度
 3. 湿地で活動する人々
用語解説/引用文献/参考図書/参考ウェブサイト/索引 

 ※朝倉書店の本書の紹介頁はこちら(外部リンク)。



執筆者の中には、以下のように私の知人の執筆した項も多くふくまれています。

「水の神事─湿地にかかわる祈り─ ;<他>」(笹川孝一さん) 
「産育習俗」(朝岡幸彦さん) 
「止水域の水生昆虫」(堀 繁久さん) 
「河川の水生昆虫」(酒井健司) 
「渡り鳥:ガンカモ類,シギ・チドリ類;<他>」(牛山克巳さん) 
「湿原を彩る花」(冨士田裕子さん) 
「藻場の減少と海岸の変貌;<他>」(向井 宏さん)  
「ラムサール条約の課題;<他>」(小林聡史さん) 
「ESD:持続可能な社会づくりのための教育」(阿部 治さん)

本書を読むことで、トンボの生息地を含む、様々な湿地をあらゆる角度から眺め、解きほぐすことで、湿地の大切さ、保全の方向性を知るためのヒントが得られるのではないでしょうか。

なお、本書の著者割引購入の案内等については、info.idnh★gmail.com(★をアットマークに置き換え)または朝倉書店に直接お問い合わせください。


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2017-02-09 (Thu)

飯島一雄 (1957) 北海道釧路の蜻蛉目について.釧路博物館新聞, 72:189-192.                  

飯島一雄 (1959) 北海道釧路の蜻蛉目,追記.Tombo, 2:31-32.  

飯島一雄 (1964) ムカシトンボ糠平に産す 釧路市立郷土博物館々報, 151152(9) .

飯島一雄(1966) コノシメトンボ,北海道に産する.釧路市立郷土博物館々報,17117217343.

飯島一雄 (1966) 稀少種の宝庫道東部のトンボについて.釧路市立郷土博物館々報, 177:43-46.

飯島一雄 (1967) エゾカオジロトンボとヒメアカネの新産地.釧路市立郷土博物館々報, 190-191: 113.

飯島一雄 (1968) 北海道東部から未知のイトトンボ.釧路市立郷土博物館々報,186-18989.

飯島一雄 (1970) 釧路管内稀少蜻蛉目ひかえ(1969年度).釧路市立郷土博物館々報, 204:27.

飯島一雄  (1970) 知床半島から発見されたサラサヤンマとコノシメトンボ。釧路市立郷土博物館々報, 204 (5) .

飯島一雄 (1971) 釧路管内稀少蜻蛉ひかえ.釧路市立郷土博物館々報,210:101.

飯島一雄 (1972a) 釧路湿原とその周辺地の昆虫相(Ⅰ).釧路市立郷土博物館々報,215:3-7.

飯島一雄 (1972b) ギンヤンマ釧路管内塘路湖で発見.釧路市立郷土博物館々報,215:20-21.      

飯島一雄 (1972c) 釧路市春採湖と網走市リヤウシ湖から発見された2種のイトトンボ.釧路市立郷土博物館々報,215(3) .

飯島一雄 (1973a) エゾカオジロトンボの発見経過とその研究史.標茶町社会教育係(編)エゾカオジロトンボ調査報告書,3-5.標茶町教育委員会.

飯島一雄 (1973b) 北海道標茶町の蜻蛉目.標茶町社会教育係(編)エゾカオジロトンボ調査報告書,6-9.標茶町教育委員会.

飯島一雄 (1973c) イイジマルリボシヤンマ-北海道標茶から発見-.釧路市立郷土博物館々報、 222:9.

飯島一雄 (1973) 釧路湿原とその周辺地の昆虫相(Ⅱ)釧路市立郷土博物館々報, 223(7) 108.

飯島一雄 (1973) 釧路湿原とその周辺地の昆虫相(Ⅲ)釧路市立郷土博物館々報, 224(9) .

飯島一雄 (1974) 昆虫.春採湖共同調査団編『春採湖』、119-149。釧路市.

飯島一雄 (1975) 釧路湿原と周辺の昆虫類.釧路湿原総合調査報告書.釧路市立郷土博物館. pp.161214.

飯島一雄 (1976) ゴトウアカメイトトンボの生息調査報告.標茶町教育委員会.10pp. (手書き謄写印刷).

飯島一雄 (1977) エゾカオジロトンボとマユタテアカネの奇型 釧路市立博物館郷土館々報, 243(1)11.

飯島一雄 (1977)  知床で発見されたムカシントンボと屈斜路湖で採れたサラサヤンマ.    釧路市立郷土博物館々報,244: 19-20.

飯島一雄 (1978) 道東海岸線調査中間報告(昆虫)釧路市立郷土博物館々報, 250(3)92-94.

飯島一雄 (1979) 道東海岸線総合調査日誌―昆虫・1978年度―釧路市立郷土博物館々報, 257 (5) .

飯島一雄 (1980) 道東海岸線総合調査日誌―昆虫・1979年度―釧路市立郷土博物館々報, 264 (7)119-122.

飯島一雄 (1981) 昆虫標本目録(1)釧路市立郷土博物館収蔵資料目録(Ⅰ).釧路市立郷土博物館。

飯島一雄 (1982) 浜中町若山沼とその周辺の昆虫類。.岡崎由夫ほか『霧多布湿原およびその周辺地の科学調査報告書:17-20.

飯島一雄 (1983) 道東海岸線総合調査日誌 1981年度。釧路市立郷土博物館々報, 281(5) 33-34.

飯島一雄 (1983) 釧路湿原の昆虫Ⅰ.標茶町昆虫愛好会発行冊子.

飯島一雄 (1983) 知床半島の昆虫(1)羅臼町 釧路市立郷土博物館々報, 282(7)43.

飯島一雄 (1983) 知床半島の昆虫(2)羅臼町 釧路市立郷土博物館々報, 284(11) .

飯島一雄 (1984) 道東海岸線の昆虫.道東海岸線総合調査報告書:87-126.釧路市立博物館.

飯島一雄 (1984) ゴトウアカメイトトンボ.標茶町昆虫愛好会(編)標茶町の天然記念物:10-11.標茶町昆虫愛好会発行.

飯島一雄 (1986) 昆虫類.道立自然公園総合調査(厚岸道立自然公園)報告書:163-196.北海道自然保護協会.

飯島一雄 (1988) 昆虫部門。春採湖調査会編『春採湖及び周辺の環境保全基礎調査報告書』。釧路市。

飯島一雄 (1989) 標茶町サルルン沼の昆虫類。標茶町郷土館報告、(4):7-18.

飯島一雄 (1990) 昆虫.阿寒川総合調査関係文献目録:23-26.釧路市立博物館・前田一歩園財団.

飯島一雄 (1991) 阿寒川水系昆虫調査結果(中間報告).阿寒川水系総合調査中間報     告書-平成2年度-.釧路市立博物館,前田一歩園財団,阿寒町.

飯島一雄 (1991) 千島火山帯の昆虫(Ⅳ)-釧路市立博物館に所蔵されている蜻蛉類     -.Sylvicola, 9:31-34.

飯島一雄 (1996) 阿寒川水系総合調査7.昆虫 釧路市立博物館々報, 355  (10) .

飯島一雄 (1996) 昆虫標本目録(3)釧路市立博物館収蔵資料目録(XVI)。釧路市立博物館.

飯島一雄 (1999) 昆虫標本目録(6)釧路市立博物館収蔵資料目録(XIX)。釧路市立博物館.

飯島一雄・飯島喜久男 (1972) 釧路湿原総合調査中間報告-シラルトロ沼-.V.昆虫.釧路市立郷土博物館々報、218:5356.

飯島一雄・飯島喜久男 (1973) 北海道東北部から未発見のイトトンボ. 釧路市立郷土博物館々報、223:116.

飯島一雄・西川彰 (1973) エゾカオジロトンボ白糠町で発見釧路市立博物館々報, 224 (9) .

飯島一雄・豊原・司・飯島猛美 (1987) 標茶町西別岳の昆虫調査(第2報).標茶町郷土館報告,(218):20-27. 

釧路湿原総合調査団編 (1977)『釧路湿原』釧路叢書、429 pp.

釧路市立郷土博物館(1981) 釧路市立郷土博物館収蔵資料目録(I).昆虫標本目録(1)、60pp.

釧路市立博物館・前田一歩園財団・阿寒町 (1983) 阿寒川水系総合調査報告書、198 pp.

標茶町社会教育係(編)( 1973) エゾカオジロトンボ調査報告書.標茶町教育委員会,33pp.

須摩靖彦・飯島喜久男・飯島一雄 (1973) 赤沼付近の昆虫調査.釧路市立郷土博物館々報 、 220: 74-75.

豊原熙司・飯島一雄 (1983) ルリボシヤンマとゲンゴロウモドキの格闘釧路市立博物館々報, 281(5)35.


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この業績リストは、各種文献検索に基づき、生方秀紀が作成したものです。

今後、追加の情報があった場合は追加・修正などを行うことがあります。


関連記事:

生方秀紀:トンボ研究者としての飯島一雄氏



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2016-02-03 (Wed)
トンボ界の今日のビッグニュースは、
「雑誌Odonatologicaのバックナンバーがフリーアクセスに!」
です。

といっっても最近5年間に刊行のものは対象外のため、定期購読者(私を含む)が手元の紙媒体の雑誌を読むほかありません。

Odonatologicaは国際トンボ学会(S.I.O.)(18年ほど前に財団化された)が1972年から学会の機関誌として年号冊(最近は年2号に変更)刊行してきているもので、日本トンボ学会など、国レベルで刊行されているものを除いては最も旧い歴史のあるものです。

国際的なトンボ学の学会はS.I.O.のほかに、S.I.O.が財団化した直後に別団体として創設された世界トンボ協会(WDA)があり、WDAでは雑誌Odonatologicaを刊行しています。

この二つの国際団体(私は両方で役員を務めました)の関係は、話すと長くなりますので、別の機会に少しずつ紹介したいと思います。

Odonatologicaのバックナンバーは下記URLで巻・号ごとに論文目次を見て、必要な論文のpdfを無料でダウンロードできます。
著者検索、学名検索もついていますので使い勝手はよさそです。

http://www.odonatologica.com/complete-back-catalogue-now-available/

Odonatologicaだけでなく、同梱で発送されていたNotulae Odonatologicae(トンボ学彙報)も同様に(最近5年分を除いて)pdfをダウンロードできます。

このオンライン公開は、本日、オランダのトンボ学者、Vincent Kalkmanさんからフェイスブック経由で案内されたもので、Kalkmanさんとその仲間たちの努力に負うところが多いのだろうと思います。
Kalkmanさんをはじめ、フリーアクセスの英断を下されたS.I.O.財団は称賛されてよいでしょう。


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