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2014-09-30 (Tue)
先日(9月26日)、さいたま市東部の樹林のある園地の池で撮影しました。

ギンヤンマ ♂ ←クリックで拡大します。

明るい開けた池の水面上を力強く飛び続け、ときどき、同種の♂(ときには別種♂)と追いかけ合いを繰り広げます。

今シーズン、ギンヤンマ♂の飛ぶ姿をねらって百回近くシャッターを押しましたが、なかなかうまく撮れませんでした。

今回、すぐ近くでホバリングをしてくれたので、激写したうちの1枚がなんとかブログにアップできるものとなりました。

日本の小学生の男の子に、トンボの中で一番好きな種類を聞いたら、一番人気になるのはこのギンヤンマではないでしょうか?

ヤンマ科だけあって大きいですし、体の前半分が黄緑色、後半分が黒褐色の肌に黄緑の斑点、そして腰(腹部2、3節)は鮮やかな水色、しかも第3節の下側(腹面側)が白銀色となっていて、大変おしゃれです。

その上、かなりのスピードで水面の割合高いところを、何ものをも恐れないような態度で飛び続けるのですから、その勇壮さに憧れてしまいます。

百円ショップで買ったような子供用の虫捕り網を振り回しても、三振の山を築くだけになるでしょう。

このようなところが、ギンヤンマを男の子達の憧れの的にしているのではないでしょうか?

さて、ギンヤンマの学名はAnax parthenopeとなっています。属名Anaxは古代ギリシャ語の「支配者」、種小名parthenopeはギリシャ神話でオデッセイを誘惑できずに海に身を投げた半人半獣の魔女の名から来ています。

種を記載したEdmond de Sélys Longchamps(19世紀のベルギーの昆虫学者)にとって、本種はよほど誘惑的な魅力を感じさせるものだったのでしょう。

属名は、ヨーロッパ産のコウテイギンヤンマAnax imperatorをタイプ種とする新属に、スコットランドの動物学者William Elford Leachが命名したものですが、種小名imperator(皇帝)ともども、このギンヤンマ属の勇壮さを反映しています。


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2014-09-26 (Fri)
「なぜ、〔オオシオカラトンボの♂は〕仲間(同種)の個体に対して、喧嘩や追いかけっこをしてまで、♀の産卵を守ろうとするのでしょう?」

これは、一つ前の記事「オオシオカラトンボ 産卵と警護(2)」の最後のところで投げかけた質問です。

同じ大きさ、同じ体力の同種♂に対して、体を張って守るのですから、守ろうとする♂は時には怪我をするかもしれませんし、エネルギー(栄養)や時間も費やしてしまいます。

それにもかかわらず、そのような行動をとるということは、その個体にとって、そのコストを上回るベネフィット(利益)がなければなりません。

「自分の大切な伴侶を他者に奪われたくないからだ」というのは、一応もっともな理由に聞こえます。

人間の場合は、このように感情やモラルで説明するのが普通ですが、野生生物の世界の行動原理は、その行動を引き起こす遺伝子の集団中の頻度(割合)が次世代で増加する方向でなければなりません。

ここで、話を元に戻します。
もし、産卵場所の♀を♂が守らなかったとしたらどうなるでしょう?
後からその場所にやってきた♂は、たやすくその♀に乗りかかり、連結(尾つながり)するでしょう。そして、その格好のまま飛んで少し離れた(干渉されない)場所に移動し、そこで交尾するでしょう。(♀が連結や交尾の拒否ができればいのですが、本種の場合、できません)。

「でも、別の♂と交尾した後でも、その♀が最初の♂の子供(卵)を(も)産んでくれればいいのでは?」ですって?

私も昔はそう思っていたこともあります。

ところが驚くべきことに、どの♂も♀と交尾姿勢をとったらまず行うことは、♀の生殖口のすぐ奥にある交尾嚢(こうびのう)や受精嚢(じゅせいのう)の中に残存している、別の♂の精子の塊を、自分の交尾器で掻き出す、ということが分かったのです。今から40年近く前のことです。

何パーセントの精子を掻き出すのか、あるいは掻き出すのか奥へ押し込むのか、については種によって異なります。いずれにせよ、♂は自分と交尾した♀に、他の♂と交尾する前に、できるだけ沢山卵を産ませる行動をとることによって大きなベネフィットを得ることになります。その行動をとった♂の遺伝子が確実に次世代に残るからです。

そして、オオシオカラトンボの♂が交尾をした♀に「僕のこの産卵場所で是非産卵してください」といわんばかりに、交尾態勢を解く直前の♀に産卵場所を呈示することにも、意味があります。

その産卵場所は、その♂の縄ばり防衛範囲の中心にあるからです。♂は、産卵場所を含む、一回り広い空間を縄ばりとして識別し、その範囲内をパトロールしたり、あるいはその範囲全体をよく見渡せる場所にとまって監視したりして、(♀がいない時でも)防衛しています。ですので、縄ばり所有者がもつ「先住効果*」を、産卵場所防衛にも有効に発揮できるからです。

注:
*先住効果は、同じ大きさ、同じ体力の個体同士が争った場合でも、先にそこを占有していたほうの個体が争いで勝利(相手をその空間から遠ざける)する確率が有意に高くなることで、鳥類を含め、多くの縄ばり性を示す動物でその存在が知られています。


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2014-09-24 (Wed)
一つ前の記事「オオシオカラトンボ 産卵&警護」の続きです。

交尾直後の♂は、自分が管理する産卵場所に分離したばかりの♀を留まらせ、そこで産卵する♀を見守る、ということを前回書きました。

「見守る」という言葉を使ったのは、この♂が、その♀が卵を少ししか産まないうちに飛び去らないように、♀の斜め上方でホバリングし、顔(その大部分は大きな複眼)をしっかり♀の方に向けていることが多かったからです。

オオシオカラトンボ 産卵・警護(2) ←クリックで拡大します。

しかし、同じカップルを同じ時間帯の中で写した、上の左の写真はどうでしょう?
♂は打水産卵中の♀の斜め少し上方にいますが、♂の視界は♀を右下後方に置き去りにし、その視線の先は♀の左上方を向いています。

上の右の写真はその数秒後のものですが、なんと花婿(オオシオカラトンボ♂;フレーム上方、こちら向き)は、♀に近寄ってきた別の♂(手前、白っぽいトンボ)と睨み合っています。
このすぐ後、花婿は侵入♂を追い払ってまた♀のところに戻りました。

たまたま今回のこの写真では、相手の侵入♂は同属の別種、シオカラトンボでしたが、もちろん同種であるオオシオカラトンボ♂の侵入に対しては花婿はもっと激しく追い払ってから、産卵場所に戻ります。

なぜ、仲間(同種)の個体に対して、喧嘩や追いかけっこをしてまで、♀の産卵を守ろうとするのでしょう?

これについては、また別の記事で詳しく触れたいと思います。


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2014-09-23 (Tue)
一つ前の記事「オオシオカラトンボ交尾」の続きです。

下の写真(1~4)は、交尾に引き続いての一連の写真の中から、ポイントとなるシーンを時系列通りに抜き出したものです。

オオシオカラトンボ 産卵・警護 ←クリックで拡大します。

稲の葉の上にとまった状態での交尾が終わると、このカップルは交尾の態勢*のまま、とまっていた場所の直下の水面にホバリングしながら降りていき、ちょっとの間、水面の少し上を飛び回りました(写真1)。

これは、花婿が花嫁にスイートホームで卵を産んでほしいとプロポーズしているものと考えられます。
この推測は、その後の行動の流れを観察することで、より確かなものになります。

産卵場所を一通り♀に内覧させると、♂は交尾を解きました(写真2)。その瞬間、♀は♂から自由になります。

♀は、♂がすぐ上方で見守る中(写真3) 、産卵場所の上空を2,3秒間ホバリングしたあと、おもむろに産卵を開始しました。♀がすぐ産卵動作に移らなかったのは、おそらくこの場所がが揺りかごとして適したものであるかどうかを、ざっとチェックしたのでしょう。

オオシオカラトンボの産卵は、このように♀が単独で(すなわち、♂と連結することなく)行いますが、その仕方は、腹の先端で一瞬水面をたたく(写真3) ことを数回繰り返すというものです。
この時、♀の腹部第9節(腹の先端から2節目)にある生殖孔から溢れ出ていた数個の卵が水中にリリースされます。

写真4は何をしているのでしょう?
♂(左)と♀(右)が顔を見合わせるようにホバリングしていますね。
これは、♀がこの♂が管理する産卵場所から出ていきそうなそぶりをしたときに、♂がそれを思いとどまらせようとしていると解釈できます。

実際に、この後、この♀は同じ産卵場所で産卵をしばらく続けました。

さて、交尾した♂はなぜこのように執拗に♀に付きまとい、同じ場所で産卵させようとするのでしょうか?

それについては次の記事で、写真も添えながら考察することにします。

【注】
*トンボの交尾態勢(交尾態)とは、♂と♀とが2カ所でつながりあってハートのような形になっている状態です。詳しくは、後日アップする記事を参照してください。


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2014-09-22 (Mon)
先日(9月19日)に、入間市の谷戸の水田の稲の葉にとまっているところを撮影しました。

オオシオカラトンボ 交尾 ←クリックで拡大します。

オオシオカラトンボは、シオカラトンボと体長はそれほど変わりませんが、若干幅広のガッチリ体型をしています。

♂(写真では上)は体色に特徴があり、成熟すると腹部だけでなく、胸部全体にもビッシリと青味の強い白粉を吹きます。
♀ (写真下)は、黒と黄色のマダラ模様です。未熟な♂も♀と同様の色彩です。

複眼は♂・♀とも黒味が強く、水色の複眼(トンボのメガネ)をしたシオカラトンボとのよい区別点になります。
更に、翅の基部が黒褐色で、♂ではその部分の翅脈にも青味の強い白粉を吹きます。

オオシオカラトンボの学名はOrthetrum melaniaで、種小名は黒いものを意味します。
確かに同属の他種に比べて黒味が強く、いかにも夏の強い日差しに負けないぞという雰囲気を醸し出しています。

ちなみに、私が昨年まで住んでいた北海道の東部、北部では温泉地・地熱地に分布が限られます。
シオカラトンボとちがって、温泉地・地熱地の暖かい水でしか幼虫が冬を越せないオオシオカラトンボは寒がり屋さんですね。

さて、写真の♀はこの後、産卵しました。そのとき、♂はどのようにふるまったでしょうか?

次回の記事をお楽しみに。


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2014-09-20 (Sat)
昨日(9月19日)、入間市の谷戸の湿地帯に作られた、小さな池の周りの柵にとまっているところを写した1枚です。

マユタテアカネ ♂

アキアカネよりも一回り小さく、♂の腹部は写真のようにスリムで真っ赤です。

尾の先の突起(正確には腹部の先端にある尾部上付属器)の形が変わっていて、つま先の尖ったブーツのように、上方に屈曲しているのが他種とのよい区別点になります(下の写真参照)。

マユタテアカネ♂腹部先端

ただし、近縁種のマイコアカネとは胸部側面の黒斑で区別する必要があります。

和名のマユタテは、顔のオデコのように見える場所(正確には前額の上方)にある2個の太い眉のような黒い模様(眉斑)に由来します。冒頭の写真を拡大してみてください。

学名はSympetrum eroticumで、種小名はギリシャ神話の恋愛の神、エロスから派生した、恋愛(性愛)の、を意味しています。

このトンボの♂のおしゃれでスマート、そしてすばしこいところが、命名者のEdmond de Sélys Longchamps(19世紀のベルギーの昆虫学者)をして、弓矢で人や神々を撃って遊んでいたエロスを連想させたのかもしれません。

アカネ属Sympetrumでは、種間雑種がときどき発見されますが、その片親がマユタテアカネであることが多いという事実を、この学名に結び付ける笑い話がありますが、 de Sélys Longchamps先生もそこまでは観察していなかったでしょう!


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2014-09-18 (Thu)
今日(9月18日)の正午過ぎに、さいたま市の園地で撮影しました。

ウスバキトンボ ♀ ←クリックで拡大します。

アキアカネよりも一回り大きく、悠々と舞い飛ぶ黄色味がかったトンボです。

飛んでいる姿は夏場にはよく見かけるのですが、なかなか物にとまってくれません。
そのため、なかなか撮影チャンスが得られないトンボです。

今日は、広々とした芝生広場と車道との境界に列生する木の枝にとまる瞬間に遭遇することができました。
250mmの望遠レンズを向けながら少しずつ近づき、シャッターを押しまくって撮った中からの1枚です。

ウスバキトンボの学名はPantala flavescensで、その種小名は黄色くなる、または黄色っぽいという意味をもちます。

このトンボは日本では冬を越せない、寒がり屋です。
それなのに、日本全国で毎年沢山見ることができます。
なぜでしょうか。

それは、熱帯・亜熱帯地方から海を渡って大挙して温帯に移動することを毎年繰り返しているからです。

日本にやってきたウスバキトンボは池や水たまりを見つけてそこで交尾・産卵します。
生まれた卵は他の種よりも早く孵化し、幼虫はぐんぐん育ちます。そして、1か月もしないうちに成虫が羽化します。

新成虫はさらに移動を続け、遠くカムチャツカ方面にまで達するものもあります。

今回撮影した個体は翅に汚れや傷みがないことから、最近日本で羽化したもののようです。

なぜ、こんな小さな生き物が大移動をするのでしょう。
もともとの生息域である熱帯乾燥地では、ウスバキトンボは一時的にできては消えるという不安定な水たまりを幼虫の生息地として利用しています。
このような生息地は魚のような天敵が少ないですから、産み付けられた卵から孵化する幼虫の死亡率が低くなり、その結果、次世代の個体をより多く残すことができます。

そのかわり、次の生息地を求めて長距離の移動をしないと、生き残れません。
長い進化の歴史の中で、この長距離移動を支える行動や生理を司る遺伝子がブラッシュアップされてきたといえます。

温帯以北に進出していった個体はその子孫を含めて大部分が家系断絶に向かって進んでいることになります。
このような無駄な死を埋め合わせても余りあるほどの多産性と植民の成功を熱帯個体群は持ち合わせているに違いありません。


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2014-09-16 (Tue)
今日(9月16日)、上尾市の園地の池で撮影しました。

アキアカネ ♂ ← クリックすると拡大します。

池のほとりの低木の枝先の葉に、最初は水平にとまっていましたが、カメラを構えると、待っていたかのように、みるみると体の後端を挙上しました。

どこかで見たような。。
そうです、「リスアカネ♂」の記事の際に取り上げた「オベリスク姿勢」です。
それもほぼ完ぺきな挙上の仕方をしてた瞬間です。腹部の軸の向きは水平面に対して70度アップにはなっているでしょう。太陽の方向をほぼ真っ直ぐに指し示しています。

今日は、上尾市の正午近くの気温は30度近くまで上がっていましたので、またこの時の陽射しも強かったので、体温上昇を抑制するこのオベリスク姿勢をとる意義は十分ありました。

このような無理な姿勢をとりながらも、頭部は体軸に対して反り返らせ、水平面前方をしっかり視野に入れているのは、さすがです。捕食者(昆虫少年?)が近づこうが、餌となる小虫が近づこうが、ぱっと飛び立てる体制です。

アキアカネの学名はSympetrum frequensで、属名の意味は「石と合一する」、種小名の意味は「群れ集まる」であると解釈できます。

アキアカネの大群が好天の日に人里に現れるのは秋の風物詩の一つですが、最近、そのようなニュースがあまり聞かれなくなりました。
このことについては、いずれまたこのブログで取り扱いたいと思います。


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2014-09-15 (Mon)
今年の7月下旬に、さいたま市の園地の池のほとりで写した1枚です。

シオカラトンボ ♂ ← クリックすると拡大します。

シオカラトンボは、日本の人里の池の周りでよく見かける、おなじみのトンボです。

♂は成熟するにつれて、腹部表面に青白い粉を吹きます。ただし、先端近くの4節には地色の黒が残ります。
若い♂と♀は粉を吹かないため、麦ワラのような色をしていて、ムギワラトンボとよばれることがあります。

ただし、一部の♀には白粉を吹き、♂とよく似た外見になるものがあり、♂型♀とか白粉型♀と呼ばれます。
これは種内多形のひとつで、性淘汰によって生じていると考えられます。

♀は♂型の色彩をもつことで、交尾しようと♀を探している♂から干渉されにくくなり、♂にあまり妨害されずに産卵することができると考えられます。

その一方で、♂型の色彩は捕食者に目立ちやすく、襲われる確率が高い可能性があります。同時に、♂からは縄ばりを侵犯する♂と勘違いされて追い出されることもありえます。産卵しやすい場所は♂の縄ばりになりやすいので、なやましいところです。

これらのメリットとデメリットのバランスにより、地域個体群の中の♀に♂型色彩を発色させる遺伝子の頻度(割合)があるレベルで安定に維持されている(平衡多形)と思われます。

(※シオカラトンボは通用している和名[学名と対応している]ですが、ムギワラトンボは種[しゅ]をあらわす和名としては用いることはできません。)

学名はOrthetrum albistylumで、属名はまっすぐなもの(体躯)を、種小名は白い尖った筆(尾部上付属器)を意味します。

種の分布範囲は、西はヨーロッパ中・南・東部から、トルコ、アフガニスタン、中央アジア、モンゴルを経て、東は中国、朝鮮、日本、ロシア極東にまで広がります。

分布のタイプからわかるように、ユーラシア大陸の中でも乾燥地づたいに東西に広がっています。

本種が、草原の中の浅い池や回りが石ころだらけの池を生息地にしているのは、このような乾燥地への生態的適応をそのまま残しているからなのでしょう。

今年の夏も、園地で小さな虫とり網を手にもった親子連れを見かけましたが、昔も今もシオカラトンボは子どもたちの格好のターゲットです。


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2014-09-13 (Sat)
今日(9月13日)、いつもの樹林の多い園地の、日当たりのよい池で撮影しました。

リスアカネ ♂ ← クリックすると拡大します。

水面から突き出た草の上にとまっていて、時々飛び立っては、あたりを飛び回ってほぼ同じ場所に戻り、またとまります。

コシアキトンボ♂の記事でも書いたのと同じの、静止型の縄ばり占有です。

普通は体軸を水平に保つようにとまりますが、今日は撮影中にこの写真のように、しばらくの間、体軸を40度ほど挙上させました。

正午の日時計の突起のように、しっかり太陽の方向を向いています。
そのため、体の陰は、本来の体長の半分ほどになっています。

これは強い日射により体温が上がりすぎるのを避けるためと考えらえています。

トンボの種によっては、体軸を水平に対して70~80度以上まで挙上させることがあり、その姿勢に対していトンボの生態学ではオベリスク姿勢という用語をあてています。

オベリスクとは、古代エジプトの寺院の入り口に建てられた尖った石の塔のことですが、確かにそう呼びたくなります。

今日の午前11時半のさいたま市の気温は25度前後とそれほど暑くありませんでした。
もっと暑い日には、リスアカネの正真正銘のオベリスク姿勢が見られるかもしれません。


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