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2015-01-20 (Tue)
これまで知られている全てのトンボ目の産卵行動において、メスは幼虫ではなく卵を産み付けます(もしくは産み放します)*【卵生】。

それに対して、アブラムシ(アリマキ)類、ハサミムシ目の一部、チャタテムシ目の一部、コウモリヤドリバエ科( Polyctenidae)およびシラミバエ科(Hippoboscidae)では母体の中で栄養を補給された幼虫が産み付けられる方式【胎生】や、コウチュウ目、ハエ目、アザミウマ目などいくつかの目の中で見られるような、産み付けられる直前または産卵と同時に幼虫が卵から孵化する方式【卵胎生】が昆虫綱の中で知られています*。

ところが、昨年末に驚くべき報告が世界トンボ協会(Worldwide Dragonfly Association 「WDA])の学会誌であるInternational Journal of Odonatologyに発表されました。

それ(Dayananda & Kitching 2014)* によると、ハナダカトンボ科に属するHeliocypha perforata参考画像:外部リンク)の単独♀が、中国のメコン川上流の岸辺の突き出た朽木にとまり、その表面に前幼虫**を産卵管から産み付けました。著者の一人はその状況をビデオに撮影しています。それによると、朽木の表面に産み付けられた前幼虫は最初、泥屑にからまったが、それから離れて水面に向かって這いずっていったということです。

著者たちは、このトンボの産み方「卵胎生」について、興味深い考察をしています。
次回の記事で簡単にご紹介したいと思います。

注:
*Dayananda, H. G. S. K. & Kitching, R. L. 2014: Ovo-viviparity in the Odonata? The case of Heliocypha perforata (Zygoptera: Chlorocyphidae) . International Journal of Odonatology, 17: 181-185.

**前幼虫(prolarva)は、どのトンボの種でも孵化直後の幼虫はヤゴの形というよりもエビのような形をしており、そうして孵化した直後に(あるいは、前幼虫がピンピン跳ねて水中に到着するやいなや)通常のヤゴの形をした第2齢幼虫へと脱皮します。日本のトンボの文献では前幼虫から脱皮したヤゴを第1齢とするのが伝統的でしたが、国際的には前幼虫を第1齢として扱うようになっています。


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