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2014-09-09 (Tue)
今年7月にさいたま市の樹林のある園地の池で撮影しました。

ショウジョウトンボ ♂

ショウジョウトンボは名前の通り、伝説上の動物、猩々のように真っ赤な体色をしています。

普通、赤トンボといえばアキアカネやナツアカネなどのアカネ属( Sympetrum )のことを指しますが、ショウジョウトンボは別属であるショウジョウトンボ属( Crocothemis )の一員です。

ショウジョウトンボ(学名、 Crocothemis servilia)は、インド東部から東南アジアを経て東アジアまで分布します。
屋久島以北、北海道(南部)までのものは、大陸産(トカラ列島以南の日本産を含む)とは染色体およびDNAのいずれにおいても差異があることから、別亜種とされています。

アカネ属のどの種よりも赤身が強く、それこそ頭のてっぺんからつま先まで真っ赤です。
日本の地方によってはショウジョウトンボを含めて赤トンボと呼ぶところも少なくありません。

さて、写真の個体は園地の池の中でガマなどの抽水植物が茂った部分の水面上に突き出した枯草の先にとまっていたものです。

後ほどご紹介する予定のシオカラトンボなどとくらべると、本種は水面に水草が豊富な場所を好むようです。

♂は草にとまって縄ばり内を監視している時間帯が長く、ときどきパトロールして戻ります。
ライバル♂が現れると縄ばりから追い出そうと飛びかかります。

写真のこの1コマは、♂が4枚の翅すべてを体の下前方に強く押し下げたままにしている状態です。

なぜこういう姿勢をとっているのでしょうか?

トンボは胸の中にある飛翔筋のうち、打ちおろしに使う筋肉を強く収縮した状態を維持しているわけですから、当然、体内のエネルギーを消費しています。

したがって、それだけのコストを支払って余りあるだけのベネフィット(利益)がなければなりません。
そうでなければ、このような行動を起こす脳内プログラムの構築に深く関与する遺伝子は自然淘汰により集団内で先細りになっていくはずです。

さて、そのベネフィットとは何でしょうか?

ヒントは、この日の撮影時刻(12時半)の気温が32℃と高く、午前中から陽射しも強かったということです。

コーベット先生の『トンボ博物学』には、この行動が太陽の日射を遮り、トンボの体温の過熱を防ぐ効果があることが述べられています。
トンボの翅の基部が人間がさす日傘と同じ働きをしているということになります。

翅の基部が前、後ろとも濃い黄赤色に着色していることも日射を遮る効果を高めているのかもしれません。


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