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2015-09-09 (Wed)
トンボの胸と腹の役割は?

節足動物の進化を考えた場合、その初期には(ムカデやヤスデがそうであるように)沢山あった体の節には胸と腹の区別はありませんでした。

昆虫が地球上で大繁栄したのは、胸に移動のための器官である脚を集め、さらには背面に大きな翅を生やし、その一方で残りの多くの体の節を「内臓を覆う容れ物」すなわち腹部に特化させたことで、環境適応力の潜在力を高め、それらの特性を変化させながらさまざまな微環境に進出できたからです。

実際、トンボの胸の中には翅を動かす大きな筋肉の束がぎっしりと詰まり、脚の基部を動かす筋肉もしっかりと入り込んでいます。胸を覆う鎧のような外皮は羽ばたきや脚の運動によって生じる力を受け止められるだけの厚みと形をもっています。

腹部は内臓(消化器、内部生殖器、排出器など)の主要部分を包み込んでいる場所で、とりわけ雌の卵巣(正確には卵巣小管の束)がそのほぼ全長にわたって伸びていて、成熟した雌は「数の子」を連想するほどの数の成熟卵を腹いっぱいに貯えています。雄には精巣がありますが、これはサイズ的にはそれほど大きくありません。

トンボの場合、それに加えて、腹部を、成虫雌が卵を産み付けるときの「腕」として自在に動かします。

成虫雄も、雌と交尾するときに腹の先のピンセット(尾部付属器)で雌の頭部または胸部前方を挟む際、また、さらに挟んでから雌に交尾(ハート型の連結)を促す際に、腹部全体を自分の意図通りに動かします。

このほかにも、個体間の威嚇や求愛誇示のため相手に目立つ色のスポットを見せ付けたり、翅の表面についたゴミなどを取り除いたりするために、腹部を器用に曲げて動かします。


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