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2015-10-02 (Fri)
9月後半、久しぶりに長距離遠征を行い、マダラナニワトンボに出会うことができました。

朝からの好天に恵まれ、水生植物が繁茂した浅い沼地では、アオイトトンボやオオルリリボシヤンマ、更にはキトンボに混じって、マダラナニワトンボが活発に産卵活動をしていました。

交尾を解いたペアはタンデム連結の状態で、水草まじりの水面や、丈の低い草に覆われた湿った岸上を飛びながら(写真1)、リズミカルに背腹方向のスイング運動を繰り返します。
この時、♀の腹先近くの生殖口から卵がポロポロと振り落とされます(打空産卵)。

マダラナニワトンボ、連結産卵
写真1:連結産卵。(クリックすると拡大します。以下同様)

♂と♀が連結を解いた後もしばらく、♂は産卵する♀につきまといます(写真2)。
これは他の♂に♀を横取りされないための警護産卵に相当します。

マダラナニワトンボ、警護産卵
写真2:警護産卵。写真1とは別の場所で別のペア。上が♂、下が♀。

警護産卵につては、このブログの「コシアキトンボの産卵」、「オオシオカラトンボ 産卵と警護)()()」もご参照ください。

やがて、♂はどこかへ行ってしまいますが、♀は単独で相変わらず元気よく産卵を続けます(写真3,4)。

マダラナニワトンボ、単独産卵
写真3:単独産卵。写真1とほぼ同じ場所

マダラナニワトンボ、単独産卵(2)
写真4:単独産卵。写真3と同じ個体。こちらを向いた瞬間をパチリ。

本種は、もともと分布が限られていた種類ですが、ここ数十年の間に各地で個体群絶滅が起きており、残された生息地は数えるほどになっています。

すでに一部の地域では地元のトンボ研究者らにより、熱心な生息地保全活動が行われており、成果が上がっています。

本種を含め、とりわけ稀少な種のトンボに関しては、トンボ研究者・愛好家は生息地の環境変化に鋭敏になり、仲間と連帯しながら保全活動を進めていくことが大切であると改めて認識した今回の遠征でした。

私にとって初対面のこのマダラナニワトンボですが、アキアカネなどのアカトンボ(アカネ属)の仲間ですが、成熟しても赤くならず、黒味を帯びる、一風変わった種です。
ナニワトンボも同様に赤くならないトンボですが、本種は黒地に黄色いマダラ模様があることからマダラナニワトンボという和名がつけられています。
本州の高地や北海道にはムツアカネという、やはり成熟すると黒くなるアカネ属の種がいますが、ムツアカネを見慣れていた私にはマダラナニワトンボの黄色の斑紋はとても新鮮でした。

マダラナニワトンボSympetrum maculatumの種小名(maculatum)の語源は、「斑点のある」で、腹部に黄斑があることを意味します。
属名の語源については「アキアカネ♂」に書きました。


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