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2014-09-15 (Mon)
今年の7月下旬に、さいたま市の園地の池のほとりで写した1枚です。

シオカラトンボ ♂ ← クリックすると拡大します。

シオカラトンボは、日本の人里の池の周りでよく見かける、おなじみのトンボです。

♂は成熟するにつれて、腹部表面に青白い粉を吹きます。ただし、先端近くの4節には地色の黒が残ります。
若い♂と♀は粉を吹かないため、麦ワラのような色をしていて、ムギワラトンボとよばれることがあります。

ただし、一部の♀には白粉を吹き、♂とよく似た外見になるものがあり、♂型♀とか白粉型♀と呼ばれます。
これは種内多形のひとつで、性淘汰によって生じていると考えられます。

♀は♂型の色彩をもつことで、交尾しようと♀を探している♂から干渉されにくくなり、♂にあまり妨害されずに産卵することができると考えられます。

その一方で、♂型の色彩は捕食者に目立ちやすく、襲われる確率が高い可能性があります。同時に、♂からは縄ばりを侵犯する♂と勘違いされて追い出されることもありえます。産卵しやすい場所は♂の縄ばりになりやすいので、なやましいところです。

これらのメリットとデメリットのバランスにより、地域個体群の中の♀に♂型色彩を発色させる遺伝子の頻度(割合)があるレベルで安定に維持されている(平衡多形)と思われます。

(※シオカラトンボは通用している和名[学名と対応している]ですが、ムギワラトンボは種[しゅ]をあらわす和名としては用いることはできません。)

学名はOrthetrum albistylumで、属名はまっすぐなもの(体躯)を、種小名は白い尖った筆(尾部上付属器)を意味します。

種の分布範囲は、西はヨーロッパ中・南・東部から、トルコ、アフガニスタン、中央アジア、モンゴルを経て、東は中国、朝鮮、日本、ロシア極東にまで広がります。

分布のタイプからわかるように、ユーラシア大陸の中でも乾燥地づたいに東西に広がっています。

本種が、草原の中の浅い池や回りが石ころだらけの池を生息地にしているのは、このような乾燥地への生態的適応をそのまま残しているからなのでしょう。

今年の夏も、園地で小さな虫とり網を手にもった親子連れを見かけましたが、昔も今もシオカラトンボは子どもたちの格好のターゲットです。


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