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2016-02-07 (Sun)
「トンボにも恋愛感情はありますか?」
唐突ですが、これはある生物系専門学校の生徒から最近届いた私へのメール質問の一つです。

ほかにも三つほどトンボ関連の質問がありましたが、それらはトンボの本を調べればわかることなので本のタイトルや入手法を書いたものを回答としておきました。

このトンボの恋愛についての質問の答はどの本にも書いてないでしょう。

私も即答できませんので、少し調べてみました。

まず、「恋愛」とは何かですが、『広辞苑』第6版では「男女が互いに相手をこいしたうこと。また、その感情。こい」と説明されています。
辞典にはそれ以上のことが書いてないのでもどかしいのですが、「恋愛が成就する」ことは結婚もしくはそれに準ずる相互の太い絆の成立することにほかならないでしょう。
ですから、恋愛感情は、つまるところ、二人だけの世界をゴールにもつ、感情の高ぶりであるといえるでしょう。

以下、18歳未満の方が閲覧するには不適切な内容が含まれますのでご注意ください。

最近BBCのWebsiteの科学と自然の欄にすっきりまとめられた記事:
The Science of Love:
http://www.bbc.co.uk/science/hottopics/love/
には、恋愛感情(Fall in love)が次の三つの段階に区分されています。

1)性欲:ホルモンである、テストステロンとエストロゲンによって突き動かされる。とくにテストステロンは女性においても主要な性衝動を担っている。

2)誘引:恋に落ち、寝食を忘れて恋い焦がれる状態。ここではモノアミンと呼ばれる神経伝達物質の一群が重要な役割を果たす。

・ドーパミン:これはコカインやニコチンによっても分泌が促される快感物質。
・ノルエピネフリン(アドレナリン):発汗や胸の高鳴りをひきおこす。
・セロトニン:もっとも重要な化学物質で一時的に狂わせるほど。

3)接触:これがなければ「誘引」段階は終わらない。最終的に愛の結晶(つまり二人の子)ができることになる。ここでは二つのホルモンが神経系から分泌され、社会的結合の効果をもたらす。
・オキシトシン:出産や授乳でも分泌され、母子関係の強化の効果をもつが、両性間の性的結合のオルガスムの際に分泌され、両性間の絆を強める効果がある。
・バソプレッシン:オキシトシンと同じようなタイミングで分泌されるが、両性間の絆を長期的に維持する効果がある。

*  *  *  *

性欲から両性間の絆にまでかかわるこれらホルモンはハタネズミをはじめ、他の哺乳動物でも調べられており、動物界を通して、両性間の誘引や結合の行動傾向ににホルモンが作用していることがわかります。

さて、トンボではどうでしょうか?

残念ながらトンボでこれらのホルモンが調べれられた例はないようです。

しかし、ショウジョウバエではドーパミンが雄の求愛行動に影響することがわかっています(Lieu et al. 2008)。
面白いことに、ドーパミン濃度が高すぎると雄が雌だけでなく雄に対しても求愛行動をしきりにするようになるとのことです。

結論としては、おそらくトンボでもドーパミンが分泌され、特に雄が雌を探し回ったり求愛したりする行動を促していることが予想されます。
実験による検証と詳細の解明がまたれます。

Tong Liu et al. 2008. Increased Dopamine Level Enhances Male–Male Courtship in Drosophila. The Journal of Neuroscience, May 21, 2008 • 28(21):5539 –5546 • 5539.
http://www.jneurosci.org/content/28/21/5539.short

他の参考サイト:
THE NEUROCHEMISTRY OF SEX
By Walter Last
http://www.health-science-spirit.com/neurosex.html


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