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2014-09-18 (Thu)
今日(9月18日)の正午過ぎに、さいたま市の園地で撮影しました。

ウスバキトンボ ♀ ←クリックで拡大します。

アキアカネよりも一回り大きく、悠々と舞い飛ぶ黄色味がかったトンボです。

飛んでいる姿は夏場にはよく見かけるのですが、なかなか物にとまってくれません。
そのため、なかなか撮影チャンスが得られないトンボです。

今日は、広々とした芝生広場と車道との境界に列生する木の枝にとまる瞬間に遭遇することができました。
250mmの望遠レンズを向けながら少しずつ近づき、シャッターを押しまくって撮った中からの1枚です。

ウスバキトンボの学名はPantala flavescensで、その種小名は黄色くなる、または黄色っぽいという意味をもちます。

このトンボは日本では冬を越せない、寒がり屋です。
それなのに、日本全国で毎年沢山見ることができます。
なぜでしょうか。

それは、熱帯・亜熱帯地方から海を渡って大挙して温帯に移動することを毎年繰り返しているからです。

日本にやってきたウスバキトンボは池や水たまりを見つけてそこで交尾・産卵します。
生まれた卵は他の種よりも早く孵化し、幼虫はぐんぐん育ちます。そして、1か月もしないうちに成虫が羽化します。

新成虫はさらに移動を続け、遠くカムチャツカ方面にまで達するものもあります。

今回撮影した個体は翅に汚れや傷みがないことから、最近日本で羽化したもののようです。

なぜ、こんな小さな生き物が大移動をするのでしょう。
もともとの生息域である熱帯乾燥地では、ウスバキトンボは一時的にできては消えるという不安定な水たまりを幼虫の生息地として利用しています。
このような生息地は魚のような天敵が少ないですから、産み付けられた卵から孵化する幼虫の死亡率が低くなり、その結果、次世代の個体をより多く残すことができます。

そのかわり、次の生息地を求めて長距離の移動をしないと、生き残れません。
長い進化の歴史の中で、この長距離移動を支える行動や生理を司る遺伝子がブラッシュアップされてきたといえます。

温帯以北に進出していった個体はその子孫を含めて大部分が家系断絶に向かって進んでいることになります。
このような無駄な死を埋め合わせても余りあるほどの多産性と植民の成功を熱帯個体群は持ち合わせているに違いありません。


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