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2016-04-06 (Wed)
カワトンボ科(Calopterygidae)のカワトンボ属Mnais)の種の分類は日本のトンボ研究者の果敢な挑戦を跳ねつけてきていましたが、今世紀に入って、形態・分布に加えてDNA解析という武器を前にしてとうとう白旗を揚げたことは、日本のトンボ研究者・愛好家の記憶の中でまだぬくもりを残しています。

さて、DNA解析をこの問題解明のために導入した二橋亮さんらは、従来1種3亜種とされたほか、2種、3種、4種など諸説があったカワトンボ属の分類を、二ホンカワトンボMnais costalis SelysとアサヒナカワトンボM. pruinosa Selysの2種に見事に落ち着かせました(二橋、2007)。

私が大学生以来住んでいた北海道には二ホンカワトンボのみが分布し、私も大学院生の頃、いくつかの生息地に通い詰めて行動や生態を研究したものです。

さて、埼玉県に転居して4年目になる今年は、昨年までの市内中心の観察から転じてプチ遠征により、より多くのトンボの種と友達になる方針をとりました。

その手始めに、今日、快晴の天気予報をに後押しされて、県西部の丘陵地、低山地へのトンボ生息地回りを敢行しました。

フェイスブック仲間からの最近の情報から、オツネントボ、シオヤトンボ、あわよくばムカシトンボの羽化直後個体を期待しての水辺巡りでしたが、あにはからんやカワトンボ属の羽化直後の個体を数個体観察・撮影することができました。

ニホンカワかアサヒナカワかの同定は微妙なところがあるため、補虫網を久しぶりに解禁し、無事1♂1♀、いずれも撮影後にネットインし、標本として持ち帰りました。

主に尾園・川島・二橋「日本のトンボ」の記述を参考に、撮影・採集した個体をニホンカワトンボと同定しました[2016年9月17日追記:採集地点はDNA分析からはアサヒナカワトンボが分布する地域に含まれており、アサヒナカワトンボである可能性のほうが高いことが判明しました。詳細についてはこの記事参照]。

以下の写真はそれらをトリミングしたものです。
いずれもクリックで拡大します。

Mnais_costalis_160406_A
二ホンカワトンボMnais costalis[追記:アサヒナカワトンボMnais pruinosaの可能性が高い] 橙色型♂

Mnais_costalis_160406_B
二ホンカワトンボM. costalis>[追記:アサヒナカワトンボMnais pruinosaの可能性が高い 透明型♂

Mnais_costalis_160406_C
二ホンカワトンボM. costalis>[追記:アサヒナカワトンボMnais pruinosaの可能性が高い 透明型♀

今日はこれ以外に、オツネントンボを溜池で観察・撮影できましたが、シオヤトンボ、ムカシトンボには会えませんでした。
はたして、お預けなのか、そもそもそこにはいないのか、それは今後の宿題となりました。

引用文献:
二橋 亮,2007,カワトンボ属の最新の分類学的知見,昆虫と自然,42(9):4-7

付記(2016年9月17日):
DNA解析を扱った論文を参照した結果、同定結果の誤りを訂正すべく、本文中に追記しました。またタイトルに「?」をつけました。

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