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2016-07-22 (Fri)
地衣類(liken)*(下の写真)は、緑藻あるいはシアノバクテリアが内部に共生している菌類(主に 子嚢菌門ASCOMATA)であることはよく知られている。
(*地衣類は分類学上は菌類に含まれている。)

Picture of an arboreal hair lichen - Wikipedia
地衣類の一例:Bryoria tortuosaハリガネキノリ属の1種。Picture of wila (Bryoria fremontii), an arboreal hair lichen.
(c) Millifolium / https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e1/WilaBig.jpg

Toby Sprilbille et al. (2016)は、世界6大陸の52属の地衣類が、BASIDIOMYCOTA 担子菌門(菌類の中では進化の早い時期に分岐した群)に属する未記載のイースト菌を第三の共生者として宿していることをDNA解析により発見した。

子嚢菌門に属する地衣類Bryoria tortuosa(ハリガネキノリ属の1種)に多量に共生するイースト(酵母)は、この地衣類が他の微生物の侵略から防衛する酸をつくることを手助けしている。

構造上重要な地衣類の表皮Cortexは子嚢菌の細胞が分化したものとされていたが、一貫して二つの異なる菌類を含んでいた。

この研究のきっかけは、Toby Sprilbilleが子嚢菌門の地衣類のDNAを調べたところ、子嚢菌門のDNAに加えて担子菌門のDNAが含まれていたことに始まる。
彼は大変意外に感じ、DNA抽出から配列決定までの過程に、何らかの原因で担子菌門のDNAの混入があったのかもしれないと疑ったという。
気をとりなおして、共著者とともに子嚢菌門の地衣類を多く分析したところ、子嚢菌門の多くの属から同様の担子菌の共生が見つかり、これまでの常識を覆す事実が明らかになった。

地衣類はまったくの専門外の私だが、フィールドで地衣類を見るときの目つきが変わるに違いない。

原著:
Toby Sprilbille et al. (2016) Basidiomycete yeasts in the cortex of ascomycete macrolichens. Science on Thursday (July 21)
http://science.sciencemag.org/content/early/2016/07/20/science.aaf8287

参考にした記事:
https://www.purdue.edu/newsroom/releases/2016/Q3/yeast-emerges-as-hidden-third-partner-in-lichen-symbiosis.html

地衣類の和名は下記サイトを参考にした:
http://jlichen.com/pictures/systematics2015.pdf


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