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2016-08-03 (Wed)
フィールドで「これは」と思った観察を、ブログ記事にアップしようと心がけてはいますが、トンボ・シーズンの進行は早くて、なかなか追いつきません。

調べて書く必要のあった桶ヶ谷沼とベッコウトンボのシリーズ記事が区切りがつきましたので、少しでも進行に追いつこうと、「今さら」感はぬぐえませんが、今シーズンの振り出し近くに戻ってトンボの横顔の紹介をリスタートしたいと思います。

下の写真は、今年の5月上旬の好天の日、埼玉県西部のため池にトンボ観察に出かけたときに写したものです。

睡蓮の咲くため池160507
埼玉県西部のため池(クリックで拡大)

キショウブの群生を背景に、赤紫の睡蓮の花が満開でした。

そしてその少し上空を飛び回ってはまた枯草の先端にとまるトンボが目にはいりました(下の写真)。

ヨツボシトンボLibellula quadrimaculata Linnaeus, 1758 の♂です。

ヨツボシトンボ♂160507
ヨツボシトンボLibellula quadrimaculata(クリックで拡大)

ふつう、トンボの写真を撮る時には複眼にピントを合わせて生き生きとした感じを演出しますが、上の写真は敢えて後半身に合わせました。
なぜかというと、写した写真を順に見ていて、この写真に写った腹部(俗にいう尻尾)全体が漂わせる構造体としての完成度にほれぼれしたからです。

多少の衝撃では壊れない、先細りの三角柱の力学構造をもちながら、呼吸の際には上下に腹をペコペコリズミカルに凹ませてはもどし、交尾の際には♀の前身の重量を支えながら♀の体を下前方に吊り動かすなどの、機動的な運動をするのですから、驚きです。
現代のロボット工学が似たような物を作れるとしても、それが一個の卵から発生して出来上がるところまでは到底真似ができないでしょう。

さて、虫の写真を撮る人には二つタイプがあるように思います。

ひとつは、科学の眼で体の形や作り、動き、他個体や他生物とのかかわり、環境とのかかわりに注意を向けて映像化するタイプ。

もうひとつは、観る人の心に何かを訴える空間芸術家の眼で、自然の中の一つのモチーフとして虫を写し込むタイプ。

もちろん、理学畑を歩んできた私は前者のタイプに属します。

そんな中、フェイスブック仲間のうち、撮影した昆虫写真をアップしている方々の中に、多少なりとも「美術」的な要素を盛り込んだ作品を挿入される方が何人かいます。

今回、私が写したヨツボシトンボと睡蓮を写した写真の中に、われながら「絵になる」と思ったものが1枚ありました(下の写真)。

睡蓮とヨツボシトンボ
ヨツボシトンボと睡蓮(クリックで拡大)

撮影する時点でカメラの絞りを開放側のマックスにして、背景となる睡蓮が少しボケて写るようにしていたものです。

オリジナルは、トンボが小さく写り、ヨツボシトンボかどうかがわからないため、上の写真はそれをトリミングしたものです。

下の写真は同じものを、デジタル写真のレタッチソフトで「印象派」風の絵画調にアレンジしたものです。

睡蓮とヨツボシトンボ、絵画化
ヨツボシトンボと睡蓮を印象派風にアレンジ(クリックで拡大)

構図はまだ満足できるものではありませんが、色や筆のタッチは多少なりともモネの作品の方を向いているように思えます。

おっと、あぶない、あぶない。

私は科学の視点でトンボを観る道を進むのでした。

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