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2016-09-09 (Fri)
今年の5月下旬のある晴れた日、前回記事のクロイトトンボを観察・撮影した池から車で移動して、今度は岸に抽水植物が繁茂している池の岸の上を歩きながら、トンボの姿を探しました。

すると、1頭のイトトンボが草にとまるのが見えました(写真1)。

アオモンイトトンボ♂(1)160523
写真1.アオモンイトトンボIschnura senegalensis♂。 (クリックで拡大)

アオモンイトトンボIschnura senegalensis (Rambur, 1842)♂です。

おや、翅を半開きにしていて、まるでアオイトトンボのとまり方そっくりです。
このブログの以前の記事「アオモンイトトンボ♂」では、♂は翅を閉じてとまっています(2014年9月中旬撮影)。

念のため、Google検索でアオモンイトトンボ♂の生態写真の画像を検索しましたが、ほとんどすべての個体が翅を閉じてとまっています。
しかし、1例だけ、今回私が撮影したのと同じように翅を半開にしてとまっている画像がヒットしました。

それは、ぱてさんのブログ「心のままに」のうちの、「アオモンイトトンボ」という記事中の写真(外部リンク)です。
9月2日にぱてさんが撮影された本種成虫の写真7枚のうち1枚だけ♂が翅を半開きでとまり、他はすべて閉じてとまっています。

このように、アオモンイトトンボが翅を半開にしてとまるのは稀なようです。

このことを確認した段階で、私の脳裏に、「もしかして、翅を閉じてとまっていた♂が翅の開閉動作を一時的に行って、翅が開いた瞬間にシャッターを押しただけかもしれない」という疑念が浮かびました。

そこで撮影データをチェックしたところ、フレーム番号下2桁が32から38までの4コマ(残りの3コマはピンボケのため削除)すべてが翅をほぼ同じ角度で開いていました(その間、1分前後経過しています)。
したがって、翅開閉動作によるものではなく、開いてとまっていたことは間違いありません。

では、なぜ、あるいはどういうシチュエーションのときに翅を開いてとまるのでしょうか?

未熟だからというのは理由にならないようです。
というのも、上記のぱてさんのブログに掲載されている未熟個体2頭とも成熟個体同様(半開の1♂を除いて)翅を閉じてとまっているからです。

それとも、一日の時刻の早い・遅いで違うのでしょうか?
これも該当しないようです。
というのも、この日、この個体を撮影した直後に、岸沿いを少し移動したところで、今度はは翅を綴じてとまっているアオモンイトトンボ♂を見つけ撮影しているからです(写真2)。

アオモンイトトンボ♂(2)160523
写真2.アオモンイトトンボIschnura senegalensis♂。 (クリックで拡大)

というわけで、この半開き静止姿勢の原因ならびに機能はわからず終いということになりました。

このブログをご覧になって、何かヒントになるような観察事例や知識をコメントしていただければ有難いです。

私自身も、文献等にあたって、何か関連のありそうなことがわかれば、追加記事を書こうと思います。

さて、ご紹介が遅れましたが、この日、この場所では、アオモンイトトンボの♀も観察・撮影することができました(写真3)。

アオモンイトトンボ♀160523
写真3.アオモンイトトンボIschnura senegalensis♀。 (クリックで拡大)

アオモンイトトンボの♀には2つの型(♂型=同色型と基本型=異色型)があり、この個体は異色型で、♂や同色型♀とは翅胸背面の黒条の中に淡色の前肩条がないこと、腹部第8節背面の黒斑が前後の節と連続すること、未熟な時期に胸部や腹基部がオレンジ色になるなどの特徴を体現しています。

アオモンイトトンボ属の♀の2型(あるいは多形)については国内外で多くの興味深い研究がなされていますので、いずれこのブログでも紹介する機会をもちたいと思います。

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