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2017-04-09 (Sun)
前回の記事「世界のグンバイトンボ類、軍配サイズ番付」で公表した「世界のグンバイトンボ類、軍配サイズ番付」では、ラオス産のグンバイトンボ属の種、Platycnemis phasmovolans Hämäläinen, 2003(図1、2;再掲)が見事、東の正横綱の地位を確保しました。

Platycnemis phasmovolans _ photo taken by Dr Matti Hamalainen 
図1.Platycnemis phasmovolans, photo taken by Dr. Matti Hämäläinen. 
   (Platycnemis phasmovolans♂の標本写真。Dr. Matti Hämäläinen提供)
  (写真はクリックで拡大します)

Platycnemis phasmovolans, teneral male _ photo taken by Dr Matti Hamalainen
図2.Platycnemis phasmovolans teneral male, photo taken by Dr. Matti Hämäläinen.
  (Platycnemis phasmovolans未熟♂の貴重な生態写真(Dr. Matti Hämäläinen提供)。 


そこで、今回は、この種を新種として記載した、Matti Hämäläinen博士が、このトンボと出会ったときの生き生きとした印象をその記載論文(Hämäläinen, 2003)からご紹介します。

「横井博士の助けを借りて、私は2002年の4月末、ベトナム国境付近の2,3の小川を訪れることができた。」

Platycnemis属のこの新しい種と私の最初の出会いは、私のこの訪問中のもっともスリリングなものであった。」

「小川の薄暗いブッシュの中で、私はとてもゆっくりとダンスをしながら近づいてくる白い団扇の一群を目にした。」

「はじめは、このゴーストのようなものが何なのか分らなかったが、その後、近ずいたことで、それがとてつもなく幅広い脛節をもつイトトンボだと分かった。」

「横井博士は2001年5月に、すでにこれと同じ種の若干の標本を同じ小川から得ていた。」

「彼は、この魅惑的な昆虫―空飛ぶゴースト―を私が記載することを承諾してくれた。心より感謝する。」

「この種の脛節は、Platycnemis phyllopoda Djakonov, 1926, グンバイトンボP. foliacea Selys, 1886 およびマダガスカルのP. alatipes McLachlan, 1870のそれよりも、比率上ずっと幅広い。」

この論文を書いた時点で、Hämäläinen博士はPlatycnemis phasmovolansの軍配サイズを横綱級と認定していたことになります。

前回記事で、私が網羅的に同属種(他属へ移行した種を含む)の軍配サイズを調べ、リンク付きで紹介しましたが、これを読まれたHämäläinen博士から、
「あなたが列挙したリンクによりいくつかの興味深い写真、たとえばP. alatipesを見られるのは楽しい」、
という言葉を頂きました。

Hämäläinen博士の著作からは、私も学ぶところが多く、これからも交流させていただくつもりです。

Platycnemis phasmovolansの写真の当ブログへの掲載を許可されたHämäläinen博士にあらためてお礼申し上げます。


種の学名の語源(Hämäläinen, 2003)
「Phasma(ギリシャ語の「ゴースト」)+volans(ラテン語の「飛行」)。」
「極端に幅広い白い羽のような脛節をもつ♂がゆっくり飛行している際のゴーストのような印象から。」


引用文献:
Hämäläinen, Matti (2003): Platycnemis phasmovolans sp. nov.—an extaordinary damselfly from Laos with notes on its East Asian congeners (Odonata: Platycnemididae). TOMBO, Matsumoto, 46 (1/4): 1-7. 


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