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2017-05-20 (Sat)
5月中旬も間もなく終わろうとしている、関東の一部都市に真夏日予報のでているこの日、関東山地の少し標高の高いところの渓流を何カ所か回りました。

季節が端境期だったせいか、出会えたトンボはクロサナエ Davidius fujiama Fraser, 1936 1♂だけでした。
それも、流畔のクモの垂直網にとらえられた若い個体でした(写真1)。

クモの網のクロサナエ(1)
写真1 クロサナエ Davidius fujiama ♂ (写真はクリックで拡大します)
 
午後2時過ぎ、クモの網にかかって、ゆらゆら揺れていたのを見つけました。

クモの網は枯草の茎にわたしてあるのですが、同じ株の別の茎の先端にカワゲラか何かの羽化殻がとりついているのも写真1には写り込んでいました。

網が揺れているのでなかなかピントがあわず、なんとか使い物になりそうに撮れたのが写真2です。

クモの網のクロサナエ2)
写真2 クロサナエ Davidius fujiama ♂

帰宅後写真から同定するために、翅胸前面や頭部の写真を撮っておく必要がありました。
そこで、クモの網からこのサナエトンボをつまみ上げました。
すると、なんと動いているのでちょっと驚きました(写真3)。

クモの網のクロサナエ(3)
写真3 クロサナエ Davidius fujiama ♂

風に揺れていたのではなく、もしかすると、このサナエが網からのがれようとじたばたしたので、揺れ動いたのかもしれません。

それならと、葉の上にそっと置きました(写真4)。

クモの網のクロサナエ(4)
写真4 クロサナエ Davidius fujiama ♂

可哀そうに、左前翅が基部から3分の1あたりで折れ曲がり、その先はくしゃくしゃになっています。
右前翅も基部から2分の1あたりで、への字形に折れ曲がっていて、これでは再離陸をするのも厳しそうです。
脚も不自由そうです、置いた時点には右中脚と右前脚が不自然に重なりあっています(写真4)。

しばらくすると写真5のように右中脚と前脚が互いに離れるように、自ら位置を変えました。

クモの網のクロサナエ(5)
写真5 クロサナエ Davidius fujiama ♂

その右前足ですが、跗節が通常そうするように外側には開かず、内側に伸びたままです。
私が網から外すときに傷めたのか、それとも網から逃れようとじたばたした際に無理な力をかけてしまったのか?
写真1を拡大してみると、右前足も中脚も跗節にクモの網の丈夫な糸がからみついていて、そこから逃れようと体を動かしたり、第三者が網からはずそうとしたときの力で関節や筋肉を傷めてしまうことはありそうです。

右中脚の跗節も本来のふんばりの態勢になっていませんので(写真5)、同様に損傷を受けているのかもしれません。

こんど、生きているトンボを網から外そうとするときには、気を付けることにしましょう。

複眼の色がまだ濁った色であること、翅に艶があり、クモの網による以外の汚れがなさそうなことから、このすぐ近くでこの日に羽化し、大空へはばたく処女飛翔に飛び立ってすぐ、このクモの網にかかってしまったものと考えられます。

トンボを主人公にすると、クモは悪役になってしまいますが、クモは「当たり前のことをしたまで」と言うでしょう。
そのクモの姿は見当たりませんでした。
クモの専門家でしたら、おおよその種名の見当はつくのではないでしょうか?

気の毒なクロサナエにいつまでも付き合っているわけにいかず、そのままにして、私は次の調査ポイントに向ったのでした(写真6、赤丸印)。

クモの網のクロサナエ(6)
写真6 網から救ったクロサナエ (赤丸の中)を置き去りに。

飛び立つことも歩いて隠れることも不自由になったこの個体は、残念ながら、歩行性のクモかアリの餌食になってしまうものと思われます。

しかし、これも自然の摂理の内。
われわれにできることは、森林破壊や水質汚染などの環境破壊や、採集のための採集によって個体群密度が絶滅の渦に巻き込まれるレベルにまで低下しないよう、意識を高めていくことだと思います。


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