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2017-06-17 (Sat)
6月上旬の好天の日の昼過ぎに、山間部のダム湖にトンボの様子を見にいきました。

すり鉢状に深いダムですが、渇水のため、水位が下がり、上流側では本来湖底である部分の土砂が広い範囲で露出していました。

そのせいかどうかわかりませんが、湖の水面上や岸辺にはトンボの姿ありませんでした。

それでも、ダムに流入する渓流を少し遡ると、アサヒナカワトンボミヤマカワトンボのそれぞれ1♀が、渓流沿いの木の葉にとまっていました。

湖畔の駐車場に回ると、駐車場と湖の間に根を張った広葉樹の樹冠の下部の広々とした空間を、コシアキトンボ Pseudothemis zonata (Burmeister, 1839) の未熟な♂が自在な曲線を描きながら飛び回っていました(写真1,2,3)。(写真はクリックで拡大します)

コシアキトンボ未熟♂摂食飛翔(1) 
写真 コシアキトンボ Pseudothemis zonata の未熟な♂(1)(写真はクリックで拡大します)

なかなかピントのあう写真が撮れませんでしたので、トンボそのものよりも、トンボが飛んでいる場所の雰囲気がわかる写真ということでご紹介することにしました。

とはいえ、トンボの様子についても一言書きたくなります。

一般に、池の水面で なわばりパトロールをするコシアキトンボ♂を撮る場合は、斜め上方か、せいぜい横からになりますが、今回の写真1は、コシアキトンボを少し下方から撮ったかたちになりました。

撮影のアングルが、木の根元よりも一段高くなった駐車場からであったためです。
そのため、腰の黄色い帯が腹側(下側)でもしっかりつながって、まさに帯状になっていることがわかります。

今回、真横からの写真も撮れました(写真2)。

コシアキトンボ未熟♂摂食飛翔(2)
写真2 コシアキトンボの未熟な♂(2)

写真2では、胸部・腹部の淡色斑紋の黄色味が強いという、未熟♂の特徴が見えています。

一方、成熟した♂では腹部の淡色斑紋は白色になり、胸部側面の淡色斑紋も少し黒ずんできます(参照:当ブログの過去記事)。

♀は♂に比べて黄色味が成熟しても残りますので(参照:当ブログの過去記事)、その点、観察者にとっても、同種のトンボにとっても、腰の帯びの色調は成熟個体の場合の性別の判定に使えるはずです。

全身を右に少し傾けた状態のシーンも撮れました(写真3)。

コシアキトンボ未熟♂摂食飛翔(3)
写真3 コシアキトンボの未熟な♂(3)

どなたでもお分かりのとおり、このシーンは、このトンボが進行方向を右方向にターンしているところです。

人間が発明した飛行機の飛び方もこの飛行テクニックを採用していますね。

このテクニックは、水平飛行の場合に翅にぶつかる空気によって生じる揚力の一部を、体軸を傾けることによって生じる傾けた方向への圧力に換えることで、前進しようとする力と横向きに働く力を合成した方向に飛行体がターンしていくという、力学プロセスを利用しています。

トンボたちは、その祖先が登場した、今から約3憶年前以来、この力学プロセスを巧みに採用していたということになります。

このように、自在に上下左右に飛行方向を替えながら、このコシアキトンボはこの樹冠の下の空間を飛び回っていました。

あらためて説明するまでもなく、この一連の飛翔行動の役割は摂食飛翔です。

つまり適当なサイズの昆虫を見つけたら捕まえ、それを食べて、栄養にすることを目的とした行動。
生殖腺が成熟するまでのこの時期「前生殖期」のトンボは、異性には興味を示さず、食べることだけに専念します。

このように飛び回っていると、少しは疲れますね。
そう、彼らも休みます(写真4)。

コシアキトンボ未熟♂摂食飛翔(4)
写真4 コシアキトンボの未熟な♂(4)

写真4は、飛び回っていたのと同じ個体です。
私の観察中に、2,3度、このように、木の枝で「休憩」していました。

※今回の写真はすべてトリミングし、明暗、シャープネスを調整したものです。


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