09≪ 2017/10 ≫11
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 | COM(-) | TB(-) |
2017-08-13 (Sun)
昨年7月上旬、東京在住のトンボ研究家、夏目英隆さんのご案内のもと、他県のトンボ生息地数カ所を見てきました。 

この素晴らしいトンボ・トリップで、いくつかの種と初対面をはたすことができました。
数回の連続記事で、それらの出会いをご紹介したいと思います。 

初回の今回は、最初の立ち寄り地、農地に囲まれた溜め池群およびその周辺の湿地や水田で撮影したトンボたちから、その1です。  

この溜め池群に挟まれた湿地には広いヨシ原が残されていて、池で羽化した均翅亜目のトンボにとっては貴重な休息場所や前生殖期を過ごす場所になっているようです。 

その湿生草原沿いの小径をゆっくりと歩きながらトンボを探すと、いました。 
緑色の胴体と大きく開いた4枚の翅、尾部付属器の形から、アオイトトンボ属の♂であることはすぐ分かります(写真1)。 

コバネアオイトトンボ未熟♂
写真1 コバネアオイトトンボ Lestes japonicus 未熟♂(1) (写真はクリックで拡大) 

夏目さん:「コバネアオイトがいますね。」 
私:「これがコバネアオイトですか。初めて見ました。」  

翅胸部がオレンジ色がかっている(金属緑色がほとんど発色していない)のは未熟なためですが、それも相俟って、コバネアオイトトンボ Lestes japonicus Selys, 1883 のこの個体は私にはとても新鮮な印象を与えてくれました。 

下の写真2は、この溜め池群の周りの小径を更に進んだところで写したコバネアオイトトンボ の別個体です。 

コバネアオイトトンボ未熟♂(2)
写真2 コバネアオイトトンボ Lestes japonicus 未熟♂、別個体。

帰宅後、図鑑等で調べてみると、コバネアオイトトンボの形態的特徴として、「後頭部が淡色であること、縁紋がアオイトトンボに比べて太短い。尾部下付属器が短い。」などが挙げられており、写真のトンボの特徴と一致しました。 

本種は青森から鹿児島までのほとんど全都府県に分布していたが、全国的に個体群の絶滅が起きていて、すでに記録の途絶えている都県もいくつかあるようです(尾園ほか、2012)。 

このような状況から、本種は環境省レッドデータでは絶滅危惧ⅠB類(EN)にランクされています。 

記録のある生息地の環境保全を行うのは勿論、真に研究に必要な場合を除いては採集を自粛することが望まれます。 

現地の話に戻します。 

写真1のコバネアオイトトンボを撮影したポイントから小径を歩み進めると、他のいくつかの種のトンボに加えて、アオイトトンボ Lestes sponsa (Hansemann, 1823) の姿もありました(写真3、4)。 

アオイトトンボ♂(1)
写真3 アオイトトンボ Lestes sponsa  

アオイトトンボ♂(2)
写真4 アオイトトンボ Lestes sponsa ♂、別個体 

写真3、4のアオイトトンボの個体は写真1,2のコバネアオイトトンボの個体よりも翅胸部の金属緑色がしっかり出ていますので、より成熟が進んでいることが伺えます。  

アオイトトンボは北海道に永く住んでいた私にとってもおなじみのトンボですので、このブログではこれまでも今回のように脇役に甘んじることが多いです。 


ですが、ブログ開始当初の記事「アオイトトンボ♂」ではちゃんと主役を務めていました。  

この両過去記事には、アオイトトンボ未熟♀、成熟して白粉を吹いた♂の写真が掲げられていますので、よろしければクリックしてご笑覧ください。  

次回記事では、この溜め池群で撮影したイトトンボ科とモノサシトンボ科のトンボを取り上げます。 

引用文献: 
尾園暁、川島逸郎・二橋亮(2012) 『日本のトンボ』 文一総合出版。


☆★☆ ブログランキング(↓):よろしければ両方ともクリックして応援してください。
| 昆虫:形態と機能 | COM(0) | | TB(-) |
コメント







管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。