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2018-03-12 (Mon)
2017年9月末から10月初めにかけての四国遠征では、初対面の種を含む多くのトンボとの出会いがありました(関連記事はこちら)。

第四報の今回は、最初に訪れた生息地(溜池A:写真7)の「赤とんぼシリーズ」の締めくくりとして、アカネ属2種と、別属の赤とんぼであるショウジョウトンボをとりあげます。

溜池Aのトンボ生息地としての特徴については、本シリーズ第一報で簡単に紹介しています。

本シリーズ、これまでに、ナニワトンボオオキトンボノシメトンボアカネ属 Sympetrum のトンボが続きました。

アカネ属、顔見世興行。しんがりに控えしは、、、。

リスアカネ Sympetrum risi Bartenev, 1914 です。

といって、もこの1枚だけですが(写真1)。

リスアカネ連結産卵 
写真1 リスアカネ Sympetrum risi 連結ペア。(写真はクリックで拡大します)
 
岸の草間を縫うように飛びながらの打空産卵です。

2,3回シャッターを押した中のベストショットがこの写真。
残念ながら、トンボの翅の先は尾部が枠をはみ出しています。

今回、1カ所(一つの池の岸辺)で、ナニワトンボ、ノシメトンボ、リスアカネの3種の連結打空産卵のシーンをゲットできたことになります。
かなりラッキー!

当ブログ、リスアカネについての過去記事としては、「リスアカネ♂」があります。

そして、しんがりにはもう1人、役者が控えていました。
それも上から目線のところに。

低木の枯れ枝の先端にとまるネキトンボ Sympetrum speciosum Oguma, 1915 ♂です(写真2)。

ネキトンボ♂ 
写真2 ネキトンボ Sympetrum speciosum 

よく似たショウジョウトンボとの区別点として、前胸背面に長毛があること、翅基部がオレンジ色でより広域であること、尾部付属器がより短いこと、脚が黒いこと、腹部に扁平感がないことなどが確認できます。

おやおや、しばらく別のトンボを観ていて、再び枯れ枝の先に目をやると、このネキトンボ♂がオベリスク姿勢をとっています(写真3)。

ネキトンボ♂オベリスク 
写真3 ネキトンボ Sympetrum speciosum ♂(同一個体)

この時間帯(正午前後)の直近のアメダス気温は25℃前後で、それほど暑くはありませんでした。
とはいえ、よく晴れていたので直射日光で体温が上がったのだろうと思います。

オベリスク姿勢をとることで、体が受ける受光量を大幅カットすることができるので、これはよい体温調節効果をもたらします。

ネキトンボについての過去記事「赤とんぼ探訪記(3):溜池群、秋のトンボ達」では、連結打水産卵および♂の静止シーンを紹介しています。

溜池Aの赤とんぼ、最後は別属のショウジョウトンボ Crocothemis servilia (Drury, 1773)です(写真4~6)。

ショウジョウトンボ♂ 
写真4 ショウジョウトンボ Crocothemis servilia ♂

写真4は堤体沿いの岸の大きな白い石の上にとまるショウジョウトンボ♂です。

私が以前住んでいた北海道東部にはショウジョウトンボは生息していなかったので、5年前に関東に移住してから近くの公園の池でショウジョウトンボを見た時には、その体全体を覆う焼けるような色調に南国の匂いを感じたことでした。

そのショウジョウトンボが、北海道ではどんどん分布域を北東方向に広げていることが、北海道トンボ研究会の最近の会報記事から伺えます。

分布の拡大でトンボ相が豊かになることを素直に喜びたいところですが、この拡大の主要因が地球温暖化であり、その裏側で北方系の種の衰退も引き起こしている(生方 1997)ことを考えると、立ち止まって考える必要がありそうです。

写真4は別のタイミングに撮影した、堤のたもとのヨシ原の傾いた枯れヨシの先にとまるショウジョウトンボ♂です。

ショウジョウトンボ♂ 
写真5 ショウジョウトンボ Crocothemis servilia ♂(別個体)

「あれ?、どこかで見たような、、、」と思った方がおられるかもしれません。

それもそのはず、このショウジョウトンボ♂は本シリーズ第一報にナニワトンボの引き立て役として登場していました(写真6に再掲)。

ショウジョウトンボ♂とナニワトンボ♂ 
写真6 右、ショウジョウトンボ Crocothemis servilia ♂(写真5と同一個体)。左はナニワトンボ♂。(再掲)

この写真の同じ茎にはトンボの羽化殻も写っています。

ヤンマ科のものには間違いないのですが、この殻も現場にありのままに残してきましたので、種の判定はできません。

最後になりましたが、毎回掲載している生息地の写真を今回は文末に掲げます(写真7)。


溜池その1 
写真7 最初の観察地(溜池A)(再掲)。

本シリーズ、次回記事ではハネビロトンボを取り上げる予定です。


謝辞:
現地に案内して下さった飯田貢さん、生息地の解説をされた高橋士朗さんに謝意を表したいと思います。


引用文献:
生方秀紀(1997)「地球温暖化の昆虫へのインパクト」。堂本暁子・岩槻邦男共編『温暖化に追われる生き物たち-生物多様性の視点から』築地書館、p.273-307。


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