2018-05-23 (Wed)
「渓流の春」シリーズ第1報では、アサヒナカワトンボを取り上げましたが、第2報の今回はヒメクロサナエ Lanthus fujiacus (Fraser, 1936)の独身♂のご紹介です。
なお、春の渓流の主役であるムカシトンボ Epiophlebia superstes (Selys, 1889)は、特別扱いの別シリーズにすでに登場済みです。
今年5月上旬、第1報で取り上げた、アサヒナカワトンボ Mnais pruinosa Selys 1853の観察を終えた私は、ムカシトンボの産卵の観察が期待される別の水系の沢の源流部に向いました。
そこで、幸運にもアジサイ属の低木の若枝・葉柄に産卵するムカシトンボの撮影に成功しました(こちらの過去記事に詳細)。
その沢の源流部に到着し、渓流沿いの歩行観察を開始してしばらく後の12時50分、1頭の小型のサナエトンボ♂が上流方向から飛んできて、低木の葉の上にとまりました。
ヒメクロサナエです(写真1)。
写真1 ヒメクロサナエ Lanthus fujiacus ♂(写真はクリックで拡大します)
この個体に6分間モデルになってもらい、約30回シャッターを押しました。
その中から2,3点、コメントつきでご紹介します。
写真2は、3ショット後のものをトリミングしています。
写真2 ヒメクロサナエ Lanthus fujiacus ♂
写真2からは、サナエトンボ科の類似種とのよい区別点となる、翅胸前面の黄斑、尾部付属器の形態を確認することができます。
この個体に限っていえば、左前翅の縁紋から先端にかけて翅の膜面が翅脈も巻き込んでクシャクシャに変形していることが見てとれます。
おそらく、羽化直後の柔らかい時期に何かにぶつかって変形したか、あるいは伸びきらなかったかの、いずれかでしょう。
それとは別に、左前脚が、左の複眼を抱きかかえるようなか位置取りとなっています。
写真3は、とくに変わった動きはしていませんが、背面から撮っているので、翅胸前面や腹部背面の黄斑パターンの特徴を確認できます。
写真3 ヒメクロサナエ Lanthus fujiacus ♂
最後の写真4は、右前足の脛節の先端付近で右複眼をこすっている様子が見てとれます。
写真4 ヒメクロサナエ Lanthus fujiacus ♂
写真4からは、明らかにこの個体が複眼を含む体部の清掃行動を行っていたことが分かります。
同様に、写真2の左足の動きも、左複眼の清掃行動の一端であったと見るのが妥当でしょう。
このヒメクロサナエの観察はこのくらいにして、私は、当日の私の主目的であったムカシトンボの連続的観察へと、渓流沿いの道を再び歩き出しました(その日のムカシトンボについてはこちらとこちらで報告済みです)。
当ブログでは過去にもヒメクロサナエを取り上げています(クリックで開きます)。
「ヒメクロサナエとの出会い」(羽化直後)
「トンボシーズン一斉スタート(2)クロサナエとヒメクロサナエ」(連結失敗)
最後に、今回ヒメクロサナエを観察することができた、渓流の一角の景観写真を掲げておきます(写真5)。
写真5 ヒメクロサナエが観察された地点(沢の源流部)
☆★☆ ブログランキング(↓):よろしければ両方ともクリックして応援してください。
| Home |
カワトンボ科4種の脚の「お毛並み」拝見>>
コメント






