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2014-09-07 (Sun)
今年の7月にさいたま市の樹林の残る園地の池で撮影しました。

コシアキトンボ ♀

岸近くの水面上をホバリングしながら、しきりに水面直下の草の表面めがけて腹端を打ち付けて産卵しているシーンの一コマです。

一つ前の記事「コシアキトンボ♂」のところで、♂の腹部3~4節にある純白の帯状模様について触れました。
その時に、♀の帯状模様が純白ではなくクリーム色であると表現しました。
クリーム色そのものではありませんが、それに近い色といえます。

♀の帯状模様は色だけでなく、形も♂の場合と違っています。
腹部第3節、4節のいずれの帯模様も節全体を覆うのではなく、不規則な曲線で区切られた後方は地色の黒色となっています。
そのため、腹部第3節、4節ともに節全体が純白となり、一体化した帯をなしている♂の模様が白黒コントラストの強い信号機能をもつのに対して、♀の場合は迷彩色化しているように見えます。
この迷彩色パターンはコシアキトンボ♂の記事の中で述べた捕食者に対する目立ちやすさを減じている可能性があります。

♂が繁殖成功(直接の子孫の数をがライバル♂のそれを上回ること)を収めるために利用している純白の帯を発現させる遺伝子は、♀の体にも当然存在しているはずです。
その遺伝子の発現の仕方が♀では性決定遺伝子の間接的な作用のもと、このように迷彩色化させているのではないかと私は考えています。

トンボの繁殖成功に関する理論と野外研究による証拠については、私も共著者のひとりである、下記の書物に詳しいですので、入手できる方はご一読ください。

東和敬・生方秀紀・椿宜高著(1987) 『トンボの繁殖システムと社会構造』 東海大学出版会。表紙はこちら


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