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2023-03-14 (Tue)
今日(3月14日)、東京で過去最早(タイ記録)の桜(ソメイヨシノPrunusCerasus) × yedoensis (Matsum.) Masam. et Suzuki ‘Somei-yoshino’の開花宣言がありました。

さいたま市にある大宮花の丘農林公苑内で、それよりも1週間前にすでに満開になっていた桜、オカメザクラPrunus (Cerasus) incamp cv. Okame (写真1~3)カンヒザクラ(ヒカンザクラ) Prunus  (Cerasus)  campanulata Maxim.(写真4~6)を撮影しましたので、同じ機会に撮った(ウメ Prunus mume (Sieb.) Sieb. et Zucc.)(写真7~10)2品種とともに、遅ればせながらご紹介します。

オカメザクラ
写真1 オカメザクラPrunus (Cerasus) incamp cv. Okame  (写真はクリックで拡大します)


オカメザクラ
(写真1~3)
この園地に着いて最初に目に入ったのはオカメザクラでした。

幹に名札がぶら下がっていたのでブロガーとしては助かります。私のブログには初登場です。

オカメザクラ
写真2 オカメザクラPrunus (Cerasus) incamp cv. Okame

オカメザクラ
写真3 オカメザクラPrunus (Cerasus) incamp cv. Okame

オカメザクラ
写真1(再掲) オカメザクラPrunus (Cerasus) incamp cv. Okame

束のように密になった花は濃い桜色でなかなかの艶やかさです。

実は、ここを訪れる前日か前々日に自宅のテレビで情報番組を見ていたときにオカメザクラが紹介されていて、この品種を作り出したのはイギリス人で、オカメというのは美人という意味でもちいられたという説明が印象に残っていました。

たしかに美しいですが、オカメ、ヒョットコのオカメが美人というのには違和感を感じていました。

もしかすると、カンヒザクラマメザクラPrunus (Cerasus)  incisa (Thunb.) Loisel. var. incisa (1812)を交配してこの品種を作り出したイギリスの桜研究家コリングウッド・イングラムCollingwood "Cherry" Ingram(Wikipedia, 2023閲覧b)は、美人というよりもこの品種の花びらが下膨れのオカメの面の輪郭に似ていたからかもしれません。


カンヒザクラ

次に見たのがカンヒザクラでした。こちらも名札つきでした(ただし、ヒカンザクラの名で)。

ヒカンザクラ
写真4 カンヒザクラ(ヒカンザクラ) Prunus (Cerasus) campanulata

ヒカンザクラ
写真5 カンヒザクラ(ヒカンザクラ) Prunus (Cerasus) campanulata

ヒカンザクラ
写真6 カンヒザクラ(ヒカンザクラ) Prunus (Cerasus) campanulata

カンヒザクラは、ソメイヨシノほかのいっぱんてきな桜と比べて変わった形の花びらを持っています。

Wikipedia(2023閲覧a)によれば:
「釣り鐘状の下向きに閉じたような半開きの形で咲き、濃い紫紅色の花弁を付けるのが最大の特徴である。学名の種小名 campanulata は「カンパニュラの様な」と言う意味で、キキョウ科ホタルブクロ属(Campanula、カンパニュラ)の花が下向きに咲く所になぞられて名付けられており、中国語でも「鐘花櫻花」と呼ばれる。」とのことです。

台湾と中国南部に分布する種であり(Wikipedia、2023閲覧a)、日本人よりもむしろ中国人にとって親しみのある桜ということになります。

偶然なのか、意図的なのか、20mほど離れて植栽されているこの園地のオカメザクラにとってカンヒザクラは祖先種にあたる存在ということになります。

帰宅後、ネット検索して知った知見ですので、現地で撮影中にはこの祖先種・雑種の関係については何も感じませんでした(笑)。


梅、品種その1

梅も咲いていました。ただし品種名を記した名札がぶら下がっていませんでした。

品種はとても多いですし、判別も難しいので、単に梅として写真を掲載します。

梅
写真7 (ウメ Prunus mume (Sieb.) Sieb. et Zucc.)

梅
写真8 (ウメ Prunus mume (Sieb.) Sieb. et Zucc.)

桜を見たあと梅をみると、また顔つきが大きく異なるので、なかなか味があります。

俳句や短歌の才能があれば作品のひとつやふたつは湧きおこるのでしょうが。。。


梅、品種その2

こちらの梅は細長く、枝分かれの少ない枝に花が穂のようについていて、まるで人工的な装飾物のようにも見えます。

梅
写真9 (ウメ Prunus mume (Sieb.) Sieb. et Zucc.)

梅
写真10 (ウメ Prunus mume (Sieb.) Sieb. et Zucc.)10

以上で、この日、この園地で撮影した桜と梅の花の紹介を終えます。


関連記事へのリンク:
※桜関連の記事はこちら
※梅関連の記事はこちら
※花関連の記事はこちら
※花の丘農林公苑関連の記事はこちら


引用文献:
Wikipedia(2023閲覧a)カンヒザクラ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/カンヒザクラ

Wikipedia(2023閲覧b)コリングウッド・イングラム。
https://ja.wikipedia.org/wiki/コリングウッド・イングラム


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著者プロフィール:
生方秀紀(うぶかた ひでのり):北海道教育大学名誉教授、トンボ自然史研究所代表、理学博士(北海道大学);専門は昆虫生態学、自然環境教育;詳細はこちら。著書:『トンボの繁殖システムと社会構造』(共著)東海大学出版会;『坂上昭一の昆虫比較社会学』(共編著)海游舎、『ESDをつくる―地域でひらく未来への教育』(共編著)ミネルヴァ書房、『環境教育』(共編著)教育出版 

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